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2006年2月 3日 (金)

光と影の、その向こう。

失って初めて気付くもの。かけがえの無い日常、大切だったあの子、そして旅行における安全。僕の旅行が安全だなんて、誰が決めた訳でもなく誰に決められる訳でもないのに、僕は太陽が昇るよりそれを信じていた。JAYWALKのように。

その日の朝は、とても調子が良かった。いや、良く見えた。朝迎えのバスに乗り込み、ベリーズを経由してメキシコへ戻るこの日、僕はGaboと一緒に座り楽しくおしゃべりしていた。朝早かったせいで、暗いバスの中パンを食べるようとして失敗、メンタルプロブレムと何度もからかわれた事が、もしかしたらこの時僕が既におかしかった事を示していたのかもしれない。

バスは順調に走り、まず最初の関門であるベリーズとの国境にたどり着いた。コスタリカ人であり、中南米を旅慣れているGaboの存在は本当に心強い。色々とアドバイスをもらい、グアテマラ側の国境は難なく通り過ぎた。その後ベリーズ側国境へ行くと、まず脇で待てと言うのだ。

立たされっぱなしの僕らを尻目に、人々はどんどん国境を通過していく。しばらく経つとようやく別室へと呼ばれ、ビザの面接をする事となった。一人ずつ入り話をすると言うので、まず僕から入った。下はその時の再現である。

奴「50ドルは?」
僕「え、ガイドから25ドルと聞いているのだけど?」
奴「足りないな、どうする残り25は?」
僕「25ではどうしてダメ?」
奴「ビザ欲しいんだろ?」
僕「・・・。」

しぶしぶ50ドル払い、ビザのスタンプを捺してもらう。その間も奴は、テレビでやっていたバスケットボールの試合に興奮したりがっかりしたり。立場の違いを思い知らされたようで、とても悔しかった。

しばらくして手続きも終わり、奴は一言「去ね。」と。どんな時でも上品な僕は「ありがとう、ごきげんよう。」と笑顔も交えて答えたのは我ながら立派だったと思う。

部屋を出た僕はそのまま税関を通過して、バスが待っているところへと向かった。後々この行動が悔やまれる事となった。しかし僕は何も知らず、全てが問題無いように見えていた。

全員が無事国境を通り抜け、僕らはベリーズを駆け抜けた。途中一度ベリーズで降りる人の為に一度止まったが、4時間程でメキシコとの国境へ到着した。と、ここでもなにやら金を払わなくてはいけないらしい。ただ出るだけなのに?15ドルも取るたぁふてぇ野郎だ。

・・・まずい、現金が無い。この手にあるのは、クレジットカードのみ。余計な現地通貨を手にしないようギリギリで来たのがまずかったか。どうしよう。。。

持つべきものは友、昔の人は言いました。僕らに救いの手が。そう、Gaboが!彼は僕らの分を立て替えて一緒に払ってくれたのだ。感謝感激とっても嬉しい!さぁ、あとは出国のスタンプもらってGO!!

しかし世の中そうは甘くなかった。出国管理官が、何やら僕のパスポートをぺらぺらめくってなかなか終わらない。まだ?と思ったら、ちょっと横で待つようにと言われてしまった。また?

今度はStitchもKeaneも通り抜けていく。不安がピークに達した頃僕は女性の管理官に別室へと連れていかれた。今度は完全にマンツーマンである。話を聞くと、どうやら僕はビザのスタンプのみもらって入国スタンプをもらってなかったらしい。そんな、奴が行けと言ったから立ち去ったのに!

どうやら国境では、ビザのスタンプをもらったらもう一度列に戻って入国審査を受け、入国スタンプをもらわなければいけないらしい。呆然とする僕に彼女は続けた。このままだと出国スタンプを押す事ができず、メキシコに入国できない。最初の国境に戻る?と。往復8時間。あーりーえーなーいー!

更に彼女は畳み掛けてきた。これは強制ではないからねと前置きした上で、もし50米ドル払えば助けられるかもしれない、と。うん?袖の下??お代官様、まけてくれてもいいんじゃ・・・。え?ディスカウントは無理??でなければ戻れって???足元見やがって!!!!

またしても金がなかった僕は、Gaboに借りて何とか支払った。彼女はそれをそのままポケットにしまい、その代わりにとしてくれた事はビザスタンプの上に2行程の走り書き。・・・そのくらいタダでやってよ。何だか悲しくなってきた。

たった4時間の滞在、ただ通り過ぎるだけで115ドル。なんてがめつい国なんだろう。どんなに素晴らしいビーチがあろうが、のんびりリゾートに最適と勧められようが、この先二度とベリーズに足を踏み入れる事は無いだろう。こんな根性曲がった国、大嫌いだ。

15ドルをGaboに立て替えてもらった時、レシートを渡されそこにはこう書いてあった。「また、すぐ会いましょう。」
ビリビリに破り捨て、この銭ゲバのような国を後にした。

続く

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