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2006年1月31日 (火)

古き神々、そして人々の棲んだ廃墟。

ちょっと間が空いてしまったので、念の為に今までの簡単な説明をば。
クリスマスホリデーでメキシコ・グアテマラへ行く事にした僕ら一行は、迎えのバンが来なかったり目的地までのバスが取れなかったりと、ハプニングはあったものの何とかグアテマラに入国した。そして旅行4日目、僕らは前半部分のクライマックスであるティカル遺跡を訪れようとしていた。

******

この日僕らに大きな出会いがあった。コスタリカから来た英語の先生、Gaboである。

彼とはティカル遺跡へ行くツアーのバスで出会った。待っている時からちょっと話し始めたのだが、この人ただの英語教師ではない。どうやらコスタリカで英語学校の校長を務め、大学でも教えたりしているようなのだ。こういう人の英語は聞き取りやすくて素晴らしい。

Gaboにはユーモアのセンスもあったので、色々話しながらいつの間にか一緒に遺跡を巡る事となった。コスタリカ人だけあって、スペイン語はネイティブである。そんな人と知り合いになるという事がどれだけ大きな事か、僕らは旅をしながら実感する事となった。

昨日の時点で日の出が見られるという事だったので、僕はとっても期待していた。バスに乗り込んでからも、そんな明るい気分が僕をちょっとハイにしていたようで、僕は珍しくよく話していたのだ。しかしまさか、そんな気分を反映して空までが明るくなろうとは。。。遺跡の上から日の出を見る、僕の夢が打ち砕かれた瞬間だった。くそぅ、あのガイドめ!

バスが遺跡へ着く頃にようやく僕も機嫌を直し、チケットを買って奥へと進む。まずは暴れる胃袋をなだめる為に朝食をレストランで食べる事にした僕ら一行。Gaboの国がどこにあるか、中南米はどんな様子なのか、彼の仕事や旅行の事など色々な話をしつつ食事に関する簡単なスペイン語なども教えてもらう。僕の名字がバイク泥棒、という言葉と似ているらしいと教えてもらったのもこの時だった。普通以上に真人間なのに・・・。名前だけで判断されませんように。

その後ゲートへと向かいながら色々話をして、和やかな雰囲気の中僕らは楽しいひとときを過ごしていた。僕が買ったばかりのチケットを失くすまでは。係の人にチケットを見せようとしたのだが、カバンにもポケットにもどこにもチケットが無いのだ!やばい、非常事態だ!!

慌てて色々とひっくり返しおっくり返し探してみたものの、どこにも見当たる事なく僕のパニック度合いはピークへ。そこで頼りになったのは、やはり我らがGaboだった。係の人に話をつけて、無事に通してくれたのだ。もう、頼りになるよGabo様!僕はあなたについていきます。

ちょっとしたアクシデントはあったものの、無事に遺跡に侵入したJon一行。Group Fと矢印の示す方向へと歩いていき、ジャングルを抜けたその先に広がった光景に僕は息を飲んだ。高い、そして古い。なんなんだ、これは。写真では見た事があった。どんなものか想像もしていた。でもそんなもんじゃなかった。実際に目にした時のこの感動を、どう言葉にしたらいいだろう。

えも言われぬ迫力があり、圧倒的な存在感が僕を打ちのめした。古の文化、そこで暮らした人々のざわめきを聞いた。そこに流れてきた、大河のように静かで止まらぬ時の流れが、一気に氾流となって僕を飲み込んでしまった。しばらくそうしてマヤに浸った後、我に返った僕はそのTempleのあちこちを見て歩いた。登れるところは登り、そこからの眺めを楽しんだ。何故このような配置で建物を造ったのか、何故こんなに階段を急なものにしたのか。疑問は次々と湧いてきたが、遺跡はただ静かにそこに横たわり僕の問いを聞くだけだった。

そうして僕らは次々と建物を見てまわったのだが、どの建物も素晴らしく古く、そして美しかった。この建物群が埋もれていた頃、僕がこの場にいる事ができたならば。この遺跡の発掘作業に、自分も加わる事ができていたなら。感動の中にこんな嫉妬も含まれていたと思う。しかしそんな嫉妬は次の景色でかき消された。

そのTempleは裏面が埋もれていた時そのままで、まるで丘があるように見えた。僕は幾分急なその丘を登り、頂上で周りを見渡してみた。そこは狭く、人もあまり大勢乗る事ができないところだったのだが、その分誰も周りにおらず景色を眺める事ができた。

360度、見渡す限りジャングル。地平線は全てジャングルと溶け合い、辺りはただ緑、緑、緑・・・。晴れ渡った空の青とのコントラストは目に痛いくらいで、今僕を生かしてくれているものが何か主張していた。この遺跡での、僕にとってのクライマックスである。正直に言うと、このTempleの方が一番有名な4th Templeよりも良かったと思う。人も少なく、高さも同じくらい。そして登るのも遺跡自体の階段か裏側の土でできた坂道であり組み立てた足場ではない。そのままの姿を楽しむ事ができた。

こうして遺跡を全て見て歩き博物館も楽しんだ僕らは、何度も階段を上り下りしたお陰で大爆笑している膝を抱えてバスに乗り込んだ。汗臭く疲れてはいたが、とても満ち足りた気分でティカル遺跡を後にしたのである。旅行の雲行きが怪しくなり始めたのはここからである。

続く

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