« ゼロ時間へ。 | トップページ | 今日こそまさに、One Wild Night。 »

2006年1月21日 (土)

Go West。

ボートに揺られる事30分程で、僕らはついにグアテマラ国境の街に着いた。ガイドに連れられるままに入国オフィス(?むしろ掘建て小屋と言った方がいいような・・・)へ向かったのだが、そこは適当な中米の国。オフィサーがいないからしばし待て,という事になった。

たっぷり一時間程待っただろうか、ようやく戻ってきたらしい。まず入国に28ドル必要という事だったのでそれをガイドに渡した。その後更に10ドルがパスポートのスタンプで必要だという。こういった国境でよく聞く話ではあるし、ハッキリ言って払いたくなかった。

しかしそれを拒んでモメにモメ、出発を大幅に送らせたとあるカップルのようにはなりたくなかった。周りが皆払っていた上にそれでスムーズになるのなら、と結局払ったのだが、どうもそのガイドのポケットに入っていたような・・・?

まぁ色々あったものの、僕らは無事に入国を済ませ移動する事に。今度の乗り物は、更にボロくなったバンである。メキシコからこっち、どんどん乗り物事情が悪くなってきているのは気のせいだろうか。しかも道がこっちは更に悪いときたもんだ。鋪装すらされていない。あのメキシコ人青年が言っていた事は正しかったか、飛行機の方が良かったかも。。。

しかし天気は良く、揺れはするもののバスは快適に草原の中を走ってゆく。窓を開けていたので風が顔に吹き付けてきて、とても気持ちが良い。こんな荒れた道を疾走していると、どうしても思い出す映画がある。プリシラという、3人のドラッグクイーンがバスでオーストラリアを一周するというものだが、その中に荒野を立った一台のバスが走り、その屋根では大音量で「Go West」をかけている着飾ったドラッグクイーン、というシーン。むぅ、ここで屋根に出るのは難しいか。

歌う僕を乗せたまま、バスはそのうち舗装路へと入り快適なドライブとなった。やがてちらほら街も見え始めてきて、目的地が近い事をそれとなく悟りつつバスはいよいよ中心部へと向かっていく。大分街が街らしくなってきた頃に、僕らは終点フローレスへと到着。ここで1泊し、次の日ティカル遺跡へと向かうのだ。

相場に近い値段の中でも良い宿を紹介してもらい、湖を目の前に臨むホテルに腰を落ち着けた僕らは、早速その日の夕方湖のボートツアーに参加した。中央にある島へ渡り、色々な動物を見た後は夕日を島のてっぺんから見るというもので、こちらへ来てから初めての観光らしい観光である。

そのボートツアーを一言で表すと、「素晴らしい」となる。何が良かったか。まずはその島で見た動物達、ワニや色とりどりのオウム、亀に野生のサル、そしてマヤのシンボルであるジャガー。何よりもジャガーに興奮してしまった。彼等には気品があり、しなやかで力強い。これならば僕だって憧れる。

そしてお待ちかねの夕日である。夕暮れ時絶好のタイミングで天辺に到着すると、他の観光客が一切いない中貸し切りの夕日が目の前に広がっていた。湖の向こう、山の峰に沈んでいく夕日。どこまでも濃いオレンジで辺りを染め上げ、ゆっくりと地面の向こうへ姿を消すべく移動してゆく。

こうしてゆっくり夕日を眺めたのもいつぶりだろう。いつからか、こんな自然の美しさに目を向ける事なく人工物の山に埋もれていた。豊かな人生とは何だろう、そして幸せに生きる事とは・・・。少なくともこの瞬間、僕は豊かさと幸せを感じていた。大切な何かを、ちょっとだけ取り戻せたかもしれない。

続く

|

« ゼロ時間へ。 | トップページ | 今日こそまさに、One Wild Night。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/24946/437970

この記事へのトラックバック一覧です: Go West。:

« ゼロ時間へ。 | トップページ | 今日こそまさに、One Wild Night。 »